皆さんこんにちは。
今回のブログでは久々となるメンテナス系の内容として、E46/E90系のN42及びN46の4気筒エンジン車の定番トラブルについて書いて行きたいと思います。
過去記事の中でE46 318iの「水漏れ」について書かれていますが、ネットでも同じく「水漏れ」に関する記事が多くみられ、E46/E90系のN42及びN46の4気筒エンジン車では定番トラブルとして冷却水漏れが挙げられています。
この「水漏れ(冷却水漏れ)」が一体どういう問題を引き起こすかについてちょっと解説しますね。
常に高温になるエンジンは、高温になり過ぎない様にラジエーター内に冷却水を循環させることでエンジンを冷やしているのですが、冷却水が漏れるとラジエーター内に循環するはずの冷却水が減少する事で空気が混ざってしまい、ラジエーターによるエンジン冷却効果を十分に得ることができません。
この状況で走り続ければエンジン温度はどんどん上昇し続け、やがてオーバーヒートという最悪の結果を招く恐れがあります。
では、何故オーバーヒートが何故最悪の結果なのかを少し解説しますね。
新旧問わず、オーバーヒートするとエンジン自体に歪みが生じます。
その中でもアルミブロックエンジンは変形し易く、新しいBMWは全車が軽量化のためにアルミブロックエンジンを採用しています。
アルミの融点はおよそ660度と言われ、鉄の融点の半分以下の温度となります。
そのため、アルミブロックエンジンは鉄製の鋳造ブロックエンジンに比べて熱に弱く、鉄の半分以下の温度で変形し歪んでしまいます。
アルミブロックは一度歪んでしまうと修正が効かないため、これを修理するとなればエンジン載せ替えという最悪のフルコースが待っている訳なんですね(-ω-;
ですから、今時のアルミブロックエンジンにとってオーバーヒートは一番危険であり、その要因となる水漏れは最深の注意を払わなければならない問題と言えるのです。
ちなみに古いBMWは鉄製の鋳造ブロックエンジンですが、融点がアルミよりも高いというだけでオーバーヒートによるエンジン歪みの危険性は同じですので、古いBMW乗りの方もオーバーヒートにはくれぐれもご注意してください。
さて、定番トラブルとして挙げられている「水漏れ(冷却水漏れ)」ですが、一言で「水漏れ」と言ってもその症状・原因は様々あります。
それではE46/E90系の水漏れ症状・原因について解説して行きたいと思います。
緊急性が高い水漏れの症状として、サーモ~ヘッド間における冷却水漏れがあります。
これの原因としては、クーラントホースヘッド側の樹脂部分の割れによるものが多く、冷却水が一気に漏れて大量に抜けるためエンジンにとって一番危険な状態と言えます。
危険性が低い漏れの症状として、冷却水の滲みから漏れに進行するというものがあります。
この滲みから漏れに進行するケースは、プレート、サイドパイプ、ロアホース(温度センサー部)、アッパーホースといった部品の経年劣化が主な原因となり、中でもプレート及びロアホース(温度センサー部)が原因であるケースが最近増えてきている状況のようです。
ではこの経年劣化はどのくらいを目安として考えればいいのか(-ω-?
皆さんが一番知りたいところだと思いますので、元BMW正規ディーラーメカニックの工場長に聞いてみました(>ω<b!!
これも一概には言えないそうですが、経験則から言うと年数としては7年目あたりが多いそうで、走行距離に関わらず比較的渋滞が多い市街地走行メインで乗られている方が比較的早くなりやすい傾向にあるそうです。
何故距離に関係なくなのか?を更に聞いてみると、走行中にエンジンに与える熱の影響が関係しているようだと答えてくれました。
渋滞経験が少ない車輌は、ラジエーターの冷却効果に加え走行中に入り込む風がエンジン内の熱気を逃がしてくれるため、渋滞に多く捕まっている車輌よりもエンジン冷却効果の効率が高く、この冷却効率の違いが各部品の経年劣化の違いに影響しているのだろうとのことです。
使用状況など環境依存でも経年劣化の速度は変わってくるということは、常日頃から注意深く愛車の健康状態を見ることが大切ということですね。
ここまでE46/E90系の4気筒エンジン車の定番トラブルである「水漏れ」について症状・原因と、経年劣化の目安など解説してきました。
「水漏れ」から発展するオーバーヒートは恐ろしいですが、そうなる前に早め早めの対策を取っていればそれほど恐れることはありません。
つたえファクトリーでは、定番トラブルである「水漏れ」点検内容を含めた「BMW車検(法定24ケ月点検)」及び「Tsutae’s Checkup(法定12ヵ月点検)」を常時受け付けております。
両点検でも行われる100項目に近い受入れ検査では、愛車の健康状態を即交換/早期交換/予備交換の3段階に分けた診断書が作成されますので、トラブル予防のためのメンテナンス計画をたてるのに役立ちます。
備えあれば憂い無し!!
本格的な行楽シーズンを前に、皆さん早め早めの対策を心掛けBMWライフをエンジョイして下さいね(>ω<b
それでは皆さん、また次回お会いしましょう!!